ミャンマーの想い出
タイ最北の町メーサイから国境のサイ川を越えてミャンマーの町タチレクに入った時の想い出です。僕が入ったこのタチレクの国境は、数年前は閉鎖されていたとのことです。
ミャンマーの首都は現在ネピドーと言って、あまり聞きなれない地名です。確か数年前首都をヤンゴン(旧ラングーン)から移転したニュースを聞いた記憶があります。
この国は20年前まではビルマと呼ばれ僕たちには、この方がなじみが深いものです。
20世紀半ばにイギリスの植民地から独立して、紆余曲折の末、現在の軍事国家が誕生しましたが、その閉鎖性は、世界の世論の批判を浴び、アウンサン・スーチー女史率いる民主化運動の動きが注目を浴びています。
GDPの指標をみると実体経済でタイの1/7、ラオスの1/2と数字を見ても極端に貧しいことを物語っています。
僕が行った国境の町タチレクは、首都から離れていますが、現在のミャンマーの現状の一端を見ることができました。
特に国境市場は、物価が安いせいか、タイから買い出しに来る商人で溢れかえっていました。売ってはいけないはずの象牙、やトラの毛皮、ワニの皮、麻薬も含め、ありとあらゆるコピー品が、平然と店先に並べられ、呼び込みで売られていました。東南アジアの奥深いこの地では、人身売買も含め、何があっても不思議ではない、そんな危険な匂いが漂っていました。
少数民族が暮らす村にも足を延ばしました。山郷にひっそりと住む彼らの生活は、まさに文明の光が届かない(受け付けない)原始生活そのものでした。僕たちと同じ次元に居るのが、カルチャーショックを伴い、何とも不思議な気持ちになりました。
そして、以前見たラオスの健康的な清楚さに比べ、ミャンマーは、このタチレクしか見てませんが、やはり国の閉鎖性からくる暗いイメージがどうしても頭から離れません。木陰にいた子供のあどけない顔が印象的でした。 |
|
|