マレーシアの想い出
自動車産業が少ないせいか、仕事上での訪問は、なかなか実現しませんでした。
一方この国には半導体業界の日系会社が結構数多く進出しており、たまたま、その関係の仕事でマレーシアのマラッカに行くことができました。
初めて見るイスラム社会で多少警戒と好奇心の目で、この国を見てきました。クアラルンプールの空港のすぐ側に、一見して、すぐにわかるイスラム教の寺院(モスク)を目にし、”ここはイスラム教の国なんだ” 体の中に飛び込んできた異物を見るような思いでした。
マレー半島の中央部の西海岸に位置する、マラッカの街並みは異国情緒にあふれています。
16世紀初めにポルトガルがここを統治、その後オランダ、イギリス、そして戦争中は日本もマラッカを占領していました。ポルトガルのフランシスコ・ザビエルが、ここから日本に布教に出発したとのことです。
外国の侵略と統治の歴史に明け暮れたこの町は、今でも町の至る所に夫々の統治時代の歴史的建造物が残っており、その歴史的景観から皮肉にも世界遺産として登録されています。また宗教の異なるキリスト教とイスラム教がうまく溶け合って共存している感じがしました。
仕事で訪れた客先にも大勢のインドネシア、フィリピンからの出稼ぎの女性労働者が、イスラム独特の頭にスカーフを巻いて働いていました。
かってマハティール首相が”LOOKーEAST 政策” 日本を見慣らへ!!を掲げ、アジアでの地位向上を目指した時期がありました。その奮闘のせいか、この国の実体経済は、現在ではタイの1.8倍ぐらいの裕福さのようです。
余談ですが、空港で隣国タイの通貨バーツが使えなかったのは不思議です。多少国政レベルでぎくしゃくしたものがあるのかもしれません。
そして、やはりマラッカ海峡に立つと、ここが幾多の歴史や事件の舞台として有名な現場であるという思いが、僕の感情を興奮で、かき乱していました。
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